家 その17
レンジャーが死んだ後、庭にはゴウとハナの二匹だけになりました。
レンジャーの存在が大きかっただけに随分庭が広く感じられます。
馬に親しんできた私にとっても馬がいなくなった庭はとても寂しいものでした。
とりわけハナは、ゴウが仲良くしてくれない分レンジャーに頼り切っていたので、いなくなってからはベェーベェーと鳴いて探しました。
ずーっと鳴いています。
私も悲しくなりました。
ポニー買ってこよう。
思い立ったらすぐ行動。長野にあるスエトシ牧場に行きました。
そこで一頭の疑い深い、怖がりな、でも姿は可愛い少し大きめなポニーがいました。
少し怖がりで、自分勝手だけど乗れるしまぁいいか。少し膝蓋が甘いな、蹄も伸びてるから削蹄しないと、皮膚は綺麗で下痢も無し、歩様は良し、曳き馬は少し怖がりだけど抑えきれない訳では無い、ボディスコアは、腹が出てるなと、サラブレッドを品定めするようにポニーを決めました。
その晩、値段の交渉の為に電話がありました。
少し足してもう一頭お友達も連れてきてもらう事にしました。
適当に見繕って小さいの連れてきてください、と頼みました。
5日位して、二頭のポニーがやってきました。
見繕ったもう一頭とは、厩舎の中で私が見ていた、鼻水垂らして座っていた、まだ1才のオス馬だったのです。
確かに今は小さいけどきっとこれはミニチュアでは無い、電話ではミニチュアって言ってたよな…。
これ、大きくなりますよね。
ああ、脚が長いからこの位にはなるなぁと、ミニチュアと言った人とは違う人が、もうミニチュアでは無い大きさを示します。
やはり…。でも嬉しそうだしまぁいいかと思い直して二頭を庭に放しました。