家 その⑧
ヤギはゴウと名付けられました。ゴートのゴウとその頃大河ドラマの主人公の名前、江からとりました。
小さめのを用意してくれたので、ちょっと痩せていて宇宙人のような風貌でした。
これで草刈りから解放される…。本当にホッとしました。
その時うちには先住犬のリンとシャーマン、リンの子供達の4頭で、合計6匹の犬がいました。
子供犬はその頃まだおチビちゃんで、お散歩の練習中でした。
6頭で散歩です。まるで鵜飼いの様なリード状況でした。
散歩も段々慣れてきて、リードも絡まないようになってきた頃ゴウがやってきました。
犬達はこの白い見た事も無い生き物に興味津々で、すぐに追いかけ回しました。
小さいゴウはすぐに隅においやられ、蹄を噛まれます。
リンは、暖かい牛の爪(おやつにあげていました。)だと勘違いしたらしく、ゴウの蹄をガシガシ噛みます。
その度に悲痛なメエェェェ、と声をあげて私に助けを求め、私の陰に隠れる様になりました。
私はヤギは触った事がありませんでした。馬とは違う匂いと触りごごちにおそるおそる抱き上げ、ガジガジ攻撃から守りました。
リンは私のめんこちゃんでしたから、リンはどうして?どうしてお母さんは私じゃなくてその変な牛の爪を抱き上げるの?と
抗議の面持ちで見つめます。
弱々しいゴウはこんな感じで私の庇護のもとスクスクと成長していきました。