家 その⑨
ゴウが犬に慣れ、私にも懐き、うちで飼われることにも慣れてきました。呼ぶとメェと返事をするようにもなりました。
その頃は犬の散歩訓練途中でしたから、毎日午後の、車が少ない時間帯に6頭曳きで犬を散歩に出していました。
近所の方が、お宅のヤギが毎日ものすごく哀しそうな声でメエーメエーと鳴いているよ。と教えてくれました。
はて?聴いたことないなぁと思ってその日も散歩に行こうとした時です。メェーメェ〜と哀しそうな声で私達を見ながらウロウロするゴウがいました。
これか!ゴウは皆んなが出かけてしまうのが悲しかったのです。自分も一緒に行きたかったのです。すっかり犬🐕だと思っていたのです。
しょうがなく、7匹目の犬として散歩に参加させました。
ゴウは嬉しそうに一生懸命皆んなの後をついていきます。お兄ちゃん待って〜みたいな感じです。
道行く人からは、あら〜、変わった犬ねー。たくさんだねー。1、2、3…6、な?7?これも犬?
な訳がありません。ヤギです🐐。
あら、ま、あっそう、き、気をつけてね。
と言葉を濁してお別れする感じです。
その後もゴウはしばらく皆んなとのお散歩を楽しみました。
しかし、ヤギの成長は早く、犬の倍ぐらいの勢いで大きくなっていきました。