家 その16
ハナが来た翌年の9月、夜に鳴く事のないハナがベェーベェーと珍しく騒いでいます。
どうしたものかと見に行くとレンジャーが寝ていました。こんな時間に珍しいなぁと近寄ってみるともう虫の息です。
きっとバタンと突然倒れたに違いありません。いつもと違う様子にハナがビックリして騒いだのです。
レンジャー!レンジャー。起きて、どうしたの?
その日もいつもと同じように草を食べ、身体を洗い、同じように過ごしていました。
緊急事態です。急いで獣医師に連絡しました。
先生!レンジャーが死にそうなんです。
わかった、今すぐ行くから。
電話を切って五分もたたないうちにレンジャーの息は止まりました。最後に大きく一息して。
先生…、もう来なくて大丈夫です。死んじゃいました。
そうか…。
レンジャーはポックリと突然旅立ちました。